IEウィンドウサイズ変更の可否設定
<< エクセルVBAでIEウィンドウを全画面表示(フルスクリーン)させる :前の記事
前回は、InternetExplorerオブジェクトのFullscreenプロパティを利用してIEウィンドウを全画面表示(フルスクリーン)にする方法について解説しました。全画面表示(フルスクリーン)で処理をさせるということはあまりないですが、使用する場合は説明した2つの注意事項を理解した上で使用しましょう。今回は、IEウィンドウサイズ変更の可否の設定について解説していきます。
目次
IEウィンドウサイズ変更を禁止する処理の流れ
以下が今回の処理の流れになります。
- ①変数宣言
- ②ieViewサブルーチンを利用して本サイトをIEで起動
- ③ResizableプロパティでIEウィンドウサイズ変更を禁止に設定
利用するサブルーチン・プロパティについて
- ieViewサブルーチン
- ieCheckサブルーチン
- Resizableプロパティ
- Widthプロパティ
- Heightプロパティ
ieViewサブルーチンとは
ieViewサブルーチンは指定したURLをInternetExplorerで起動させ、Webページが完全に読み込まれるまで待機処理をするマクロです。
ieCheckサブルーチンとは
ieCheckサブルーチンは指定したInternetExplorerオブジェクトのWebページが完全に読み込まれるまで待機処理をするマクロです。
Resizableプロパティとは
InternetExplorerオブジェクトのResizableプロパティは、IEウィンドウサイズ変更の可否を設定します。
変数 = objIE.Resizable
Widthプロパティとは
InternetExplorerオブジェクトのWidthプロパティはIEウィンドウの幅の値を取得または設定をすることができます。また、単位はピクセル(1ピクセル=1/96インチ)になります。
変数 = objIE.Width
Heightプロパティとは
InternetExplorerオブジェクトのHeightプロパティはIEウィンドウの高さの値を取得または設定をすることができます。また、単位はピクセル(1ピクセル=1/96インチ)になります。
変数 = objIE.Height
IEウィンドウサイズ変更を禁止するサンプルコード
こちらは、IEウィンドウサイズ変更を禁止するマクロです。
Sub sample()
Dim objIE As InternetExplorer
'本サイトをIE(InternetExplorer)で起動
Call ieView(objIE, "http://www.vba-ie.net/")
'IEウィンドウサイズ変更を禁止する
objIE.resizable = False
End Sub
実行結果
IEウィンドウサイズの変更が禁止されます。
解説
Sub sample()
Dim objIE As InternetExplorer
こちらはSubステートメントに引数の設定がないsampleプロシージャになります。 まずは、変数宣言でメモリ領域を割り当てるDimステートメントを利用してオブジェクト変数objIEに「InternetExplorer型」を変数宣言しています。
'本サイトをIE(InternetExplorer)で起動
Call ieView(objIE, "http://www.vba-ie.net/")
次に他のプロシージャを呼び出すCallステートメントを利用してieViewサブルーチンを呼び出しています。それぞれの第一引数にはオブジェクト変数の「objIE」を第二引数には表示させるURLの「http://www.vba-ie.net/」を設定しています。これによりInternetExplorerで本サイトのページが表示されます。
'IEウィンドウサイズ変更を禁止する
objIE.Resizable = False
End Sub
こちらはInternetExplorerオブジェクトのResizableプロパティに「False」を設定しています。Resizableプロパティは、IEウィンドウサイズ変更の可否を設定するプロパティで「False」を設定するとIEウィンドウサイズ変更を禁止にします。
IEウィンドウサイズ変更が禁止になったら、最後はEndステートメントを利用してプロシージャを終了させます。
これで、手動ではIEウィンドウのサイズを変更できなくなりました。前回の全画面表示(フルスクリーン)処理では、InternetExplorerオブジェクトのFullscreenプロパティを「True」に設定するとWidthプロパティやHeightプロパティを設定しても制御できませんでしたが、Resizableプロパティの場合、サイズ設定ができるのかを確認してみます。それでは、以下の処理を実行して見ましょう。
Sub sample()
Dim objIE As InternetExplorer
'本サイトをIE(InternetExplorer)で起動
Call ieView(objIE, "http://www.vba-ie.net/")
'IEウィンドウサイズ変更を禁止する
objIE.resizable = False
objIE.Width = 500
objIE.Height = 500
End Sub
こちらの処理を実行するとIEウィンドウのサイズが「500×500ピクセル」で表示されました。resizableプロパティでサイズ変更ができない場合でもWidthプロパティやHeightプロパティは有効であることが分かりました。
また、resizableプロパティの設定も有効で、IEウィンドウサイズの変更はできません。サイズ設定を行う場合は、どのプロパティで有効あるいは無効なのかを把握すると論理エラーになりにくいので覚えておきましょう。
まとめ
今回は、IEウィンドウサイズ変更の可否の設定について解説しました。サイズ変更を禁止にした場合でもWidthプロパティやHeightプロパティは有効であるということも確認できました。次回は、IEウィンドウの表示倍率(拡大・縮小)の設定について解説していきます。
次の記事: エクセルVBAでIEウィンドウの表示倍率(拡大・縮小)を設定する >>
近田 伸矢, 植木 悠二, 上田 寛
IEのデータ収集&自動操作のプログラミング本はこの1冊だけ!IEの起動やポップアップウィンドウ、表示を制御する基本的なコードはもちろん、テキストボックスやラジオボタン、表、ハイパーリンクなどのHTML部品を制御する方法など、自動操作に欠かせないノウハウを丁寧に解説。