InternetExplorerオブジェクトのTheaterModeプロパティ
TheaterModeプロパティは、InternetExplorerの全画面表示を設定します。
目次
- IE(InternetExplorer)のシアターモード(キオスクモード)とは
- TheaterModeプロパティとは
- IE(InternetExplorer)をシアターモードにするサンプルコード
- 利用されているコンテンツ
- InternetExplorerオブジェクトのプロパティ
IE(InternetExplorer)のシアターモード(キオスクモード)とは
IEのシアターモード(キオスクモード)はウィンドウを全画面表示にする機能のことを言います。シアターモード(キオスクモード)では、全画面ですが、アドレスバーとタブは表示されます。一般的にF11(ファンクションキー)を押下することで画面の切り替えが可能です。
TheaterModeプロパティとは
IEオブジェクトのTheaterModeプロパティはウィンドウを全画面表示に設定できます。設定する場合は、ブーリアン型(Boolean)の値を使用します。
こちらはIEの機能であるシアターモード(キオスクモード)をVBAで操作するものになりますので、設定した後でもF11(ファンクションキー)で通常画面とシアターモードの切り替えが可能です。
また、同じような動作をするFullScreenプロパティもありますので、違いについて十分理解するようにしましょう。
変数 = objIE.TheaterMode
構文 | object.TheaterMode [= Boolean] | |
---|---|---|
引数 | 省略 | 説明 |
object | × | 表示させるIEオブジェクトの名前を指定します。 |
Boolean | ▲ | ウィンドウを全画面表示するか、通常画面サイズにするかを指定できます。値を設定する場合は省略できませんが、値を取得する場合は省略ができます。 |
引数Boolean
値 | 説明 |
---|---|
True | ウィンドウを全画面表示にします。 |
False | 通常画面サイズで表示します。デフォルトでは、Falseが既定値となります。 |
IE(InternetExplorer)をシアターモードにするサンプルコード
Sub sample()
Dim objIE As InternetExplorer
'IE(InternetExplorer)のオブジェクトを作成する
Set objIE = CreateObject("InternetExplorer.Application")
'IE(InternetExplorer)を表示する
objIE.Visible = True
'指定したURLのページを表示する
objIE.navigate "http://www.vba-ie.net/"
'完全にページが表示されるまで待機する
Do While objIE.Busy = True Or objIE.readyState <> 4
DoEvents
Loop
'完全にドキュメントが読み込まれるまで待機する
Do Until objIE.document.ReadyState = "complete"
DoEvents
Loop
'IE(InternetExplorer)を全画面表示にする
objIE.TheaterMode = True
MsgBox "現在「TheaterMode=True」で設定されています。「OK」を押下すると「False」に設定されIEの通常画面サイズになります。"
'IE(InternetExplorer)を通常画面サイズにする
objIE.TheaterMode = False
End Sub
実行結果
①IEを全画面表示にします。
②メッセージボックスが表示され、「OK」を押下します。
③TheaterModeプロパティが「False」に設定され、IEが通常画面サイズになります。
解説
Sub sample()
Dim objIE As InternetExplorer
sampleのSubステートメントは引数の設定なしです。次に、Dimステートメントを利用して変数objIEをInternetExplorer型で宣言します。
'IE(InternetExplorer)のオブジェクトを作成する
Set objIE = CreateObject("InternetExplorer.Application")
SetステートメントとCreateObject関数を利用してIEのオブジェクトを作成します。オブジェクト作成によりプロパティやメソッドを利用することができます。
'IE(InternetExplorer)を表示する
objIE.Visible = True
VisibleプロパティにTrueを設定することで、ブラウザを表示させます。
'指定したURLのページを表示する
objIE.Navigate "http://www.vba-ie.net/"
Navigateメソッドの第一引数に「http://www.vba-ie.net/」を設定しています。これにより「VBAのIE制御」サイトのトップページが表示されます。
'完全にページが表示されるまで待機する
Do While objIE.Busy = True Or objIE.ReadyState <> 4
DoEvents
Loop
こちらは、Do...Loop ステートメントを利用して、ページが完全に読み込まれるまでループさせる処理を行っています。
それぞれのプロパティでWebページが完全に読み込まれた場合の戻り値は、BusyプロパティがFalse、ReadyStateプロパティが4になりますので、たとえBusyプロパティでFalseになったとしてもReadyStateプロパティが4でない場合はループから抜け出すことはできません。
こちらを抜け出すためには、BusyプロパティとReadyStateプロパティの両方が完全に読み込み完了状態になった場合のみとなります。
ということは、ページが完全に読み込まれるまで次の処理へ移動せず待機するということになります。
ちなみにDoEvents関数を設定しているのでは、無限ループに陥った場合に制御を戻しておくためです。
'完全にドキュメントが読み込まれるまで待機する
Do Until objIE.document.ReadyState = "complete"
DoEvents
Loop
こちらも、Do...Loop ステートメントを利用して、ドキュメントが完全に読み込まれるまでループさせる処理を行っています。objIEオブジェクトのReadyStateプロパティは読み込み完了時に4を返しますが、HTMLDocumentオブジェクトのReadyStateプロパティは"complete"を返します。
どのオブジェクトのReadyStateプロパティかによって戻り値が異なりますので注意が必要です。ここでは、"complete"を返したときにループ処理を抜けるような処理をしています。
'IE(InternetExplorer)を全画面表示にする
objIE.TheaterMode = True
こちらは、TheaterModeプロパティにTrueを設定することで、ウィンドウを全画面表示にします。
MsgBox "現在「TheaterMode=True」で設定されています。「OK」を押下すると「False」に設定されIEの通常画面サイズになります。"
こちらは、MSgBox関数を利用してメッセージボックスが表示されます。「OK」を押下すると次の処理へ移ります。
'IE(InternetExplorer)を通常画面サイズにする
objIE.TheaterMode = False
こちらは、TheaterModeプロパティにFalseを設定することで、ブラウザを通常の画面サイズに変更しています。
End Sub
最後はEndステートメントを利用してsampleプロシージャを終了させます。
利用されているコンテンツ
TheaterModeプロパティは、あまり利用しませんが覚えておきましょう。
InternetExplorerオブジェクトのプロパティ
プロパティ | データ型 | 内容 |
---|---|---|
Application | Object | アプリケーションオートメーションオブジェクトにアクセス可能であれば、そのオートメーションオブジェクトを返す。 |
Visible | Boolean | アプリケーションの表示・非表示を設定します。 |
Busy | Boolean | Webページが読み込み中かどうかを示す。 |
ReadyState | tagREADYSTATE | IEオブジェクトのドキュメントの読み込み状態を示します。 |
document.readyState | tagREADYSTATE | IEのdocumentオブジェクトの読み込み状態を示します。 |
Top | Long | InternetExplorerウィンドウの垂直位置(ピクセル)を設定します。 |
Left | Long | InternetExplorerウィンドウの水平位置(ピクセル)を設定します。 |
Width | Long | InternetExplorerウィンドウの幅(ピンクセル)を設定します。 |
Height | Long | InternetExplorerウィンドウの高さ(ピンクセル)を設定します。 |
AddressBar | Boolean | アドレスバーを表示・非表示させます。 |
MenuBar | Boolean | メニューバーを表示・非表示させます。 |
StatusBar | Boolean | ステータスバーを表示・非表示させます。 |
ToolBar | Long | ツールバーが表示されているのを制御します。 |
FullScreen | Boolean | ウィンドウを最大化し、ステータスバー、ツールバー、メニューバー、およびタイトルバーを非表示にします。 |
TheaterMode | Boolean | InternetExplorerのシアターモードを設定します。 |
Resizable | Boolean | ウィンドウサイズ変更の可否を設定します。 |
Offline | Boolean | 設定またはオブジェクトがオフラインモードで動作しているかどうかを示す値を取得します。 |
RegisterAsBrowser | Boolean | 設定またはオブジェクトは、トップレベルのブラウザウィンドウとして登録されているかどうかを示す値を取得します。 |
RegisterAsDropTarget | Boolean | 設定またはオブジェクトはナビゲーションのためのドロップターゲットとして登録されているかどうかを示す値を取得します。 |
Silent | Boolean | 任意のダイアログボックスを表示することかどうかを設定する。 |
TopLevelContainer | Boolean | 指定したオブジェクトがトップレベルのオブジェクトである場合にTrueを返します。 |
HWND | Long | 指定したInternetExplorerのHWNDを返します。 |
Container | Object | コンテナ/親へのオブジェクト参照を取得します。 |
Document | Object | 指定したドキュメントを返します。 |
Parent | Object | コンテナ/親が存在する場合は、そのオートメーションオブジェクトのオートメーションオブジェクトを返します。 |
Path | String | InternetExplorerアプリケーションのフォルダパスを返します。 |
FullName | String | InternetExplorerアプリケーションのファイルパスを返します。 |
Name | String | アプリケーションの名前を返します。 |
LocationName | String | 指定したページのタイトルを取得します。 |
LocationURL | String | 指定したページのURLを取得します。 |
StatusText | String | ステータスバーのテキストを取得します。 |
Type | String | 含まれているドキュメントオブジェクトの型を返します。 |
近田 伸矢, 植木 悠二, 上田 寛
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