VBAのIE(InternetExplorer)オブジェクトのdocument.readyStateプロパティについて解説しています。
document.ReadyStateプロパティはHTMLDocumentオブジェクトのドキュメントの読み込み状態を示します。InternetExplorerの状態をチェックするのに利用するとより安全に処理を行うことができます。こちらでは、その点も含めて解説しています。
document.ReadyStateプロパティはHTMLDocumentオブジェクトのドキュメントの読み込み状態を示します。読み込み状態は4段階で、文字列で返す点にご注意ください。こちらもWebページの完全読み込み待機処理で利用します。
objIE.document.readyState = "uninitialized"/"loading"/
"interactive"/"complete"
変数 = objIE.document.readyState
構文 | object.document.readyState | |
---|---|---|
引数 | 省略 | 説明 |
object | × | 表示させるIEオブジェクトの名前を指定します。 |
戻り値 | 説明 |
---|---|
"uninitialized" | デフォルト値。読み込み開始前。 |
"loading" | documentオブジェクトの読み込み中。 |
"interactive" | documentオブジェクトの読み込み中で操作可能。 |
"complete" | documentオブジェクトの読み込み完了。 |
Sub sample()
Dim objIE As InternetExplorer
'IE(InternetExplorer)のオブジェクトを作成する
Set objIE = CreateObject("InternetExplorer.Application")
'IE(InternetExplorer)を表示する
objIE.Visible = True
'指定したURLのページを表示する
objIE.navigate "http://www.vba-ie.net/"
'完全にページが表示されるまで待機する
Do While objIE.Busy = True Or objIE.readyState <> 4
DoEvents
Loop
'完全にドキュメントが読み込まれるまで待機する
Do Until objIE.document.ReadyState = "complete"
DoEvents
Loop
End Sub
※ドラッグ(スワイプ)すると全体を確認できます。
「VBAのIE制御」サイトのトップページが表示されます。
Sub sample()
Dim objIE As InternetExplorer
※ドラッグ(スワイプ)すると全体を確認できます。
sampleのSubステートメントは引数の設定なしです。次に、Dimステートメントを利用して変数objIEをInternetExplorer型で宣言します。
'IE(InternetExplorer)のオブジェクトを作成する
Set objIE = CreateObject("InternetExplorer.Application")
※ドラッグ(スワイプ)すると全体を確認できます。
SetステートメントとCreateObject関数を利用してIEのオブジェクトを作成します。オブジェクト作成によりプロパティやメソッドを利用することができます。
'IE(InternetExplorer)を表示する
objIE.Visible = True
※ドラッグ(スワイプ)すると全体を確認できます。
VisibleプロパティにTrueを設定することで、ブラウザを表示させます。
'指定したURLのページを表示する
objIE.Navigate "http://www.vba-ie.net/"
※ドラッグ(スワイプ)すると全体を確認できます。
Navigateメソッドの第一引数に「http://www.vba-ie.net/」を設定しています。これにより「VBAのIE制御」サイトのトップページが表示されます。
'完全にページが表示されるまで待機する
Do While objIE.Busy = True Or objIE.ReadyState <> 4
DoEvents
Loop
※ドラッグ(スワイプ)すると全体を確認できます。
こちらは、Do...Loop ステートメントを利用して、ページが完全に読み込まれるまでループさせる処理を行っています。
それぞれのプロパティでWebページが完全に読み込まれた場合の戻り値は、BusyプロパティがFalse、ReadyStateプロパティが4になりますので、たとえBusyプロパティでFalseになったとしてもReadyStateプロパティが4でない場合はループから抜け出すことはできません。
こちらを抜け出すためには、BusyプロパティとReadyStateプロパティの両方が完全に読み込み完了状態になった場合のみとなります。
ということは、ページが完全に読み込まれるまで次の処理へ移動せず待機するということになります。
ちなみにDoEvents関数を設定しているのでは、無限ループに陥った場合に制御を戻しておくためです。
'完全にドキュメントが読み込まれるまで待機する
Do Until objIE.document.ReadyState = "complete"
DoEvents
Loop
※ドラッグ(スワイプ)すると全体を確認できます。
こちらも、Do...Loop ステートメントを利用して、ドキュメントが完全に読み込まれるまでループさせる処理を行っています。objIEオブジェクトのReadyStateプロパティは読み込み完了時に4を返しますが、HTMLDocumentオブジェクトのReadyStateプロパティは"complete"を返します。
どのオブジェクトのReadyStateプロパティかによって戻り値が異なりますので注意が必要です。ここでは、"complete"を返したときにループ処理を抜けるような処理をしています。
End Sub
※ドラッグ(スワイプ)すると全体を確認できます。
最後はEndステートメントを利用してsampleプロシージャを終了させます。
ReadyStateプロパティは、IE(InternetExplorer)を表示させるには必須のプロパティになります。ほとんどのコンテンツで利用されていますので、ここでは代表的なコンテンツを紹介します。
プロパティ | データ型 | 内容 |
---|---|---|
Application | Object | アプリケーションオートメーションオブジェクトにアクセス可能であれば、そのオートメーションオブジェクトを返す。 |
Visible | Boolean | アプリケーションの表示・非表示を設定します。 |
Busy | Boolean | Webページが読み込み中かどうかを示す。 |
ReadyState | tagREADYSTATE | IEオブジェクトのドキュメントの読み込み状態を示します。 |
document.readyState | tagREADYSTATE | IEのdocumentオブジェクトの読み込み状態を示します。 |
Top | Long | InternetExplorerウィンドウの垂直位置(ピクセル)を設定します。 |
Left | Long | InternetExplorerウィンドウの水平位置(ピクセル)を設定します。 |
Width | Long | InternetExplorerウィンドウの幅(ピンクセル)を設定します。 |
Height | Long | InternetExplorerウィンドウの高さ(ピンクセル)を設定します。 |
AddressBar | Boolean | アドレスバーを表示・非表示させます。 |
MenuBar | Boolean | メニューバーを表示・非表示させます。 |
StatusBar | Boolean | ステータスバーを表示・非表示させます。 |
ToolBar | Long | ツールバーが表示されているのを制御します。 |
FullScreen | Boolean | ウィンドウを最大化し、ステータスバー、ツールバー、メニューバー、およびタイトルバーを非表示にします。 |
TheaterMode | Boolean | InternetExplorerのシアターモードを設定します。 |
Resizable | Boolean | ウィンドウサイズ変更の可否を設定します。 |
Offline | Boolean | 設定またはオブジェクトがオフラインモードで動作しているかどうかを示す値を取得します。 |
RegisterAsBrowser | Boolean | 設定またはオブジェクトは、トップレベルのブラウザウィンドウとして登録されているかどうかを示す値を取得します。 |
RegisterAsDropTarget | Boolean | 設定またはオブジェクトはナビゲーションのためのドロップターゲットとして登録されているかどうかを示す値を取得します。 |
Silent | Boolean | 任意のダイアログボックスを表示することかどうかを設定する。 |
TopLevelContainer | Boolean | 指定したオブジェクトがトップレベルのオブジェクトである場合にTrueを返します。 |
HWND | Long | 指定したInternetExplorerのHWNDを返します。 |
Container | Object | コンテナ/親へのオブジェクト参照を取得します。 |
Document | Object | 指定したドキュメントを返します。 |
Parent | Object | コンテナ/親が存在する場合は、そのオートメーションオブジェクトのオートメーションオブジェクトを返します。 |
Path | String | InternetExplorerアプリケーションのフォルダパスを返します。 |
FullName | String | InternetExplorerアプリケーションのファイルパスを返します。 |
Name | String | アプリケーションの名前を返します。 |
LocationName | String | 指定したページのタイトルを取得します。 |
LocationURL | String | 指定したページのURLを取得します。 |
StatusText | String | ステータスバーのテキストを取得します。 |
Type | String | 含まれているドキュメントオブジェクトの型を返します。 |
近田 伸矢, 植木 悠二, 上田 寛
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