プログラムのエラー回避

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こちらでは、On Errorステートメントを利用して、プログラムのエラーを回避する方法について解説しています。

また、ステートメントとは「命令文」と訳されるようにコンピュータに具体的な動作を指定する最小単位のプログラムです。主にマクロの挙動を制御する構文や文法を指します。通常は1行で完結する部分を指しますが、If~Thenなど複数行にまたがる部分を意味することもあります。

目次

はじめに

こちらでは、On Errorステートメントを利用して、プログラムのエラーを回避する方法について解説します。On Errorステートメントは、GoToメソッドでプロシージャ内の任意の位置へジャンプさせることで、プログラムの構造が複雑になるため、非構造化エラーハンドラと呼ばれます。ちなみに構造化されたエラーハンドラは「構造化エラーハンドラ」と呼ばれます。

また、実行時エラーが発生することを前提として、プログラムにあらかじめエラー処理を記述しておくと処理を途中で止めずに継続することができます。

利用するステートメント・関数について

今回利用するステートメント・関数は以下になります。

On Errorステートメントとは

On Errorステートメントエラー処理ルーチンを有効にし、プロシージャ内でのエラー処理ルーチンの位置を指定します。

On Error GoTo 行ラベルまたは行番号

MsgBox関数とは

MsgBox関数ダイアログボックスにメッセージとボタンを表示し、どのボタンが押されたかを示す整数型の数値を返します。

MsgBox "表示させる文字列"

プログラムのエラーを回避するサンプルコード

今回のVBAコードはプログラムのエラーを回避するマクロになります。


Sub sample()

    Dim i As Integer

    On Error GoTo errorhndler
    
    i = "VBA"
    
    MsgBox "変数iは" & i & "です。"
    
errorhndler:

    MsgBox "変数の値が間違っています。"

End Sub

※ドラッグ(スワイプ)すると全体を確認できます。

実行結果

エクセルVBAのOn Errorステートメントの結果1

解説

sampleプロシージャSubステートメントに引数は設定されていません。最初にDimステートメント変数iに整数型(Integer)を宣言しています。 次にOn Errorステートメントの行ラベルに「errorhndler」を設定しています。これによりエラーが発生した場合は、後に記述してある「errorhndler:」に移動しそれ以降の処理を実行します。On Errorステートメント以降の処理では変数i」に文字列の「VBA」が格納されていますが、変数iには整数しか格納できませんので、この時点でエラーが発生します。エラーが発生すると「errorhndler:」に移動しますので、「MsgBox "変数の値が間違っています。"」が処理されます。最後はEndステートメントを利用してsampleプロシージャを終了させます。

次に変数iに整数値を設定した場合は、以下のように正常な処理の「MsgBox "変数iは" & i & "です。"」が処理されますが、更にそれ以降の「MsgBox "変数の値が間違っています。"」も処理されてしまいます。On Errorステートメントはあくまでエラーが発生した場合に指定した位置へ移動するだけですので、それ以降の処理は正常な処理でも実行されてしまいます。


Sub sample()

    Dim i As Integer

    On Error GoTo errorhndler
    
    i = 5
    
    MsgBox "変数iは" & i & "です。"
    
errorhndler:

    MsgBox "変数の値が間違っています。"

End Sub

※ドラッグ(スワイプ)すると全体を確認できます。

エクセルVBAのOn Errorステートメントの結果2

正常な処理とエラー処理を明確に分けたい場合は、正常な処理の最後にExitステートメントを利用して処理を終了させるようにしましょう。以下の事例を確認すると<「MsgBox "変数iは" & i & "です。"」の後に「Exit Sub」により処理が終了します。


Sub sample()

    Dim i As Integer

    On Error GoTo errorhndler
    
    i = 5
    
    MsgBox "変数iは" & i & "です。"
    
    Exit Sub
    
errorhndler:

    MsgBox "変数の値が間違っています。"

End Sub

※ドラッグ(スワイプ)すると全体を確認できます。

エクセルVBAのOn Errorステートメントの結果3

エラー処理ルーチンは通常、プロシージャの最後に記述されOn Errorステートメントでエラー処理ルーチンに移動しますが、エラーが発生せずに正常に処理が実行されてもエラー処理ルーチンは実行されます。それを回避するために、エラー処理ルーチンの前にプロシージャを終了させるExit Subステートメントを記述する必要があります。

エラー時にエラー内容を表示させるサンプルコード

今回のVBAコードはプログラムのエラー時にエラー内容を表示させるマクロになります。


Sub sample()

    Dim i As Integer

    On Error GoTo errorhndler
    
    i = "VBA"
    
    MsgBox "変数iは" & i & "です。"
    
errorhndler:

    MsgBox "エラー内容:" & Err.Description 

End Sub

※ドラッグ(スワイプ)すると全体を確認できます。

実行結果

「エラー内容:型が一致しません。」のメッセージボックスが表示されます。

エクセルVBAのErr.Descriptionの結果

解説

こちらは、先ほどと同じ内容で変数iが整数型(Integer)に対して文字列を格納しようとしたため、エラー処理が実行されます。その際にMsgBox関数ErrorオブジェクトDescriptionプロパティを設定しています。こちらを設定することでエラーに関連する説明の文字列を表示させます。

今回は、変数に型の違うデータを格納したエラーですので、「型が一致しません。」の文字列が返されます。

まとめ

今回はOn Errorステートメントを利用して、プログラムのエラーを回避する方法について解説しました。次回は、エクセルVBAでプログラムのエラーを無視する方法について解説します。

エクセルVBAのエラー処理一覧

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VBAのステートメント

こちらでは、エクセルVBAの事例で利用したステートメントをまとめたものです。ExcelのVBAには様々な機能が用意されていますので一度ご確認ください。

VBAのオブジェクト

こちらでは、エクセルVBAの事例で利用したオブジェクトをまとめたものです。ExcelのVBAには様々な機能が用意されていますので一度ご確認ください。

VBAのプロパティ

こちらでは、エクセルVBAの事例で利用したオブジェクトのプロパティをまとめたものです。ExcelのVBAには様々な機能が用意されていますので一度ご確認ください。

VBAのメソッド

こちらでは、エクセルVBAの事例で利用したオブジェクトのメソッドをまとめたものです。ExcelのVBAには様々な機能が用意されていますので一度ご確認ください。

VBAのイベント

こちらでは、エクセルVBAの事例で利用したオブジェクトのイベントをまとめたものです。ExcelのVBAには様々な機能が用意されていますので一度ご確認ください。