エクセルVBAのExitステートメント
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こちらでは、VBAのIE(InternetExplorer)操作に利用されたExitステートメントの解説になります。Exitステートメントは、For~Nextループ、For Each~Nextループ、Do~Loop ループ、Sub、Function、Propertyの各プロシージャを抜けるフロー制御ステートメントです。
また、ステートメントとは「命令文」と訳されるようにコンピュータに具体的な動作を指定する最小単位のプログラムです。主にマクロの挙動を制御する構文や文法を指します。通常は1行で完結する部分を指しますが、If~Thenなど複数行にまたがる部分を意味することもあります。
目次
Exitステートメントとは
Exitステートメントは、For~Nextループ、For Each~Nextループ、Do~Loop ループ、Sub、Function、Propertyの各プロシージャを抜けるフロー制御ステートメントです。
Sub プロシージャ名
処理
Exit Sub
End Sub
Function プロシージャ名
処理
Exit Function
End Function
Property プロシージャ名
処理
Exit Property
End Property
For カウンタ変数 = 初期値 To 最終値
繰り返す処理
Exit For
Next カウンタ変数
Do While 条件式
条件式が真(True)の場合に実行する処理
Exit Do
Next
構文 | Exit Sub Exit Function Exit Property Exit For Exit Do | |
---|---|---|
ステートメント | 説明 | |
Exit Sub | このステートメントのあるSubプロシージャを直ちに抜けます。制御はSubプロシージャを呼び出したステートメントの次のステートメントに移ります。 | |
Exit Function | このステートメントのあるFunctionプロシージャを直ちに抜けます。制御はFunction プロシージャを呼び出したステートメントの次のステートメントに移ります。 | |
Exit Property | このステートメントのあるPropertyプロシージャを直ちに抜けます。制御はPropertyプロシージャを呼び出したステートメントの次のステートメントに移ります。 | |
Exit For | For~NextループまたはFor Each~Next ループを抜け、Nextステートメントの次のステートメントに制御を移します。For~NextループまたはFor Each~Next ループがネスト(入れ子)構造になっている場合は、Exit Forのあるループの1つ外側のループに制御を移します。 | |
Exit Do | Do~Loopループを抜け、Loopステートメントの次のステートメントに制御を移します。Do~Loopステートメントがネスト(入れ子)構造になっている場合は、Exit Doのあるループの1つ外側のループに制御を移します。 |
Exit Subのプロシージャを抜けるサンプルコード
Sub sample()
MsgBox "1回目のメッセージボックスです。"
Exit Sub
MsgBox "2回目のメッセージボックスです。"
End Sub
実行結果
解説
sampleのSubステートメントには引数の設定はされていません。処理の内容を確認するとMsgBox関数でメッセージを順に表示させているだけですが、途中でExit Subステートメントがありますので、こちらを処理することでSubプロシージャを直ちに抜けます。よって、最後のメッセージは実行されることはありません。
Exit Forのループ処理を抜けるサンプルコード
Sub sample()
Dim i As Integer
For i = 1 To 10
If i <= 3 Then
MsgBox i & "回目のループです。"
Else
Exit For
End If
Next i
End Sub
実行結果
解説
sampleのSubステートメントには引数の設定はされていません。 まず、Dimステートメントを利用してカウンタ変数iに整数型(Integer)を宣言しています。 次にFor~Next文の初期値と終了値に「1」と「10」を設定しています。これによりカウンタ変数iが1から10に達するまで次の行の処理を繰り返し行います。
For~Next文の中の処理ですが、こちらはIf~Then~Elseステートメントを利用してカウンタ変数iが3以下の場合は真(True)を返し、4以上の場合は偽(False)を返す処理になっています。
カウンタ変数iが3までは通常通りメッセージボックスが表示されますが、4の場合は偽(False)となりExit Forステートメントが実行されます。
これによりループを抜け、Nextステートメントの次のステートメントに制御を移します。
Exit Doのループ処理を抜けるサンプルコード
Sub sample()
Dim i As Integer
i = 1
Do Until i = 10
If i < 4 Then
MsgBox i & "回目のループです。"
i = i + 1
Else
Exit Do
End If
Loop
End Sub
実行結果
解説
sampleのSubステートメントには引数の設定はされていません。まず、Dimステートメントを利用して変数iに整数型(Integer)を宣言し、「1」を代入しています。次にDo Until~Loop文の条件式に「i = 10」設定しています。これにより変数iが10でない限り偽(True)を返し次の行の処理を繰り返し行います。
Do Until~Loop文の中の処理ですが、こちらはIf~Then~Elseステートメントを利用して変数iが3以下の場合は真(True)を返し、4以上の場合は偽(False)を返す処理になっています。
変数iが3までは通常通りメッセージボックスが表示されますが、4の場合は偽(False)となりExit Doステートメントが実行されます。
これによりループを抜け、Loopステートメントの次のステートメントに制御を移します。
近田 伸矢, 植木 悠二, 上田 寛
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