Setステートメント
こちらでは、VBAのIE(InternetExplorer)操作に利用されたSetステートメントの解説になります。
ステートメントとは、「命令文」と訳されるように、コンピュータに具体的な動作を指定する最小単位のプログラムです。主にマクロの挙動を制御する構文や文法を指します。通常は1行で完結する部分を指しますが、If~Thenなど複数行にまたがる部分を意味することもあります。
目次
Setステートメントとは
Setステートメントは、オブジェクトへの参照を、変数またはプロパティに代入し、その変数をオブジェクトと同様に扱えるものにします。
Set objIE = CreateObject("InternetExplorer.Application")
構文 | Set objectvar = {[New] objectexpression | Nothing} | |
---|---|---|
キーワード | 省略 | 説明 |
objectvar | × | 変数またはプロパティの名前を指定します。命名規則については、変数の命名規則を確認してください。 また、引数objectvarは、代入されるオブジェクトと同じ種類のオブジェクトでなければなりません。 |
New | ● | キーワードNew は、通常、デザイン時にオブジェクトを暗黙的に作成するときに使います。Setステートメントと共にキーワードNewを使用すると、クラスの新しいインスタンスが作成されます。また、引数objectvarにオブジェクトへの参照が含まれている場合、新しいオブジェクトが代入されると参照が解除されます。キーワードNewでは、組み込みデータ型の新しいインスタンスや従属オブジェクトは、作成できません。 |
objectexpression | × | オブジェクト名、参照するオブジェクトと同じオブジェクトの種類の宣言済みのほかの変数、同じオブジェクトの種類のオブジェクトを返す関数名またはメソッド名などで構成される式を指定します。 |
Nothing | ● | 引数objectvarと特定のオブジェクトとの関係を無効にします。引数objectvarにNothingを代入したときに、ほかの変数がそのオブジェクトを参照していなければ、それまでに参照していたオブジェクトに割り当てられているすべてのシステムリソースおよびメモリリソースが、解放されます。 |
Setステートメントの特徴は、Dim、Private、Public、ReDim、Static の各ステートメントの場合オブジェクトを参照する変数を宣言するだけですが、Setステートメントを使ってオブジェクトを代入すると実際のオブジェクトを参照できるようになります。
ただし、一般的にSetステートメントでオブジェクトへの参照を変数に代入する場合、変数のためにオブジェクトのコピーは作成されず、代わりにオブジェクトへの参照が作成されます。
ですので、複数のオブジェクト変数で同じオブジェクトを参照することができますが、参照しているオブジェクトに変更を加えると、全ての変数に反映されますので、注意が必要です。
変数の命名規則
- 使用できる文字は、英字、ひらがな、全角カタカナ、漢字、数字、アンダースコア(_)
- 先頭は文字でなければならない(数字または記号以外の文字)
- 記号やスペースは使用できない
- 変数名は半角255文字(全角127文字)以内にする
- Excelの関数、ステートメント、メソッドと同じ名前(予約語)を使用することは出来ない
- 同一の適用範囲内で同じ名前の変数を宣言することはできない
Setステートメントのサンプルコード
Sub sample()
Dim objIE As InternetExplorer
'IE(InternetExplorer)のオブジェクトを作成する
Set objIE = CreateObject("InternetExplorer.Application")
'IE(InternetExplorer)を表示する
objIE.Visible = True
'指定したURLのページを表示する
objIE.Navigate "http://www.vba-ie.net/"
'完全にページが表示されるまで待機する
Do While objIE.Busy = True Or objIE.ReadyState <> 4
DoEvents
Loop
実行結果
「VBAのIE制御」サイトのトップページが表示されます。
解説
sampleのSubステートメントは引数の設定なしです。次に、Dimステートメントを利用して変数objIEをInternetExplorer型で宣言します。
そして、変数objIEをSetステートメントを利用して、オブジェクトとして操作することができます。
次にIEオブジェクトのNavigateメソッドを利用して、指定したURLを開いて完了となります。最後にEnd Subステートメントを利用してsampleプロシージャを終了させます。
近田 伸矢, 植木 悠二, 上田 寛
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