VBAのIE(InternetExplorer)制御でページURLを取得する方法について解説しています。
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前回は、5つの方法で開いているページのタイトルを取得する方法について解説しました。最後にどの処理が一番速いかを計測しましたが、処理回数が多い場合はDocumentオブジェクトのtitleプロパティが一番早いことが分かりました。今回は、開いているページのURLを取得する方法について解説していきます。
DOMとは「Document Object Model」の略称で、html・head・body・p・aなどのHTMLドキュメント要素にアクセスして取得や操作ができる仕組みのことです。
以下はHTMLドキュメントをツリー構造に表したものでDOMツリーと呼ばれます。階層状のツリー構造でHTMLドキュメントを表現します。
HTMLとは「HyperText Markup Language」の略称で、Webページを作成するために開発された言語です。世の中に公開されているWebページのほとんどがHTMLで作成されています。こちらのサイトもHTMLで作成されています。
HTMLは基本的に以下のような構成でできており「<タグ名>★テキスト★</タグ名>」が1つの要素(エレメント)になります。この中の特定の要素に対してデータの取得や操作を行っていきます。
<html>
<head>
<title>VBAのIE制御</title>
</head>
<body>
<p>こちらはpタグのテキストです。</p>
<a href="★リンクURL(アドレス)★">リンクのアンカーテキストです。</a>
</body>
</html>
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HTML言語では、「タグ」と呼ばれる仕組みを利用して構築していきます。以下のイメージを確認すると分かりやすいと思いますが、タグとは「<」と「>」で構成されており、開始タグと終了タグまでの括りで1つの要素を形成します。
具体例で説明するとWebページのURL(アドレス)を表す「titleタグ」を利用して開始タグの「<title>」と終了タグの「</title>」で括り、タグの中の文字列が「要素内容」となります。こちらでは「VBAのIE制御入門」の文字列が要素内容となります。
そして、こちらの「開始タグ+要素内容+終了タグ」の全体を「要素」と呼びます。また、別名では「エレメント」と呼ばれますので、どちらも同じ意味であることを理解してください。
今回利用するサブルーチン・プロパティ・VBA関数は以下になります。利用方法については処理の解説で行いますが、どのような機能を持っているのか簡単に目を通してください。
ieViewサブルーチンは指定したURL(アドレス)をInternetExplorerで起動させ、Webページが完全に読み込まれるまで待機処理をするマクロです。
ieCheckサブルーチンは指定したInternetExplorerオブジェクトのWebページが完全に読み込まれるまで待機処理をするマクロです。
InternetExplorerオブジェクトのDocumentプロパティはHTMLドキュメントのオブジェクトを返すプロパティです。これによりHTMLドキュメントを操作することができます。
DocumentオブジェクトのURLプロパティはHTMLドキュメントのURLを取得するプロパティです。
InternetExplorerオブジェクトのLocationURLプロパティは現在開いているページのURLを取得するプロパティです。
MsgBox関数はダイアログボックスにメッセージとボタンを表示し、どのボタンが押されたかを示す整数型の数値を返します。
以下が今回の処理の流れになります。
こちらのVBAコードは、IE(InternetExplorer)の開いているページのURL(アドレス)を取得するマクロです。
Sub sample()
Dim objIE As InternetExplorer
'IE(InternetExplorer)で本サイトを起動する
Call ieView(objIE, "http://www.vba-ie.net/")
'①URLプロパティからURL(アドレス)を取得する方法
MsgBox "方法① : " & objIE.document.URL
'②LocationURLプロパティからURL(アドレス)を取得する方法
MsgBox "方法② : " & objIE.LocationURL
End Sub
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Sub sample()
Dim objIE As InternetExplorer
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こちらはSubステートメントに引数の設定がないsampleプロシージャになります。 まずは、変数宣言でメモリ領域を割り当てるDimステートメントを利用してオブジェクト変数objIEに「InternetExplorer型」を変数宣言しています。
'IE(InternetExplorer)で本サイトを起動する
Call ieView(objIE, "http://www.vba-ie.net/")
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次に他のプロシージャを呼び出すCallステートメントを利用してieViewサブルーチンを呼び出しています。第一引数にはオブジェクト変数の「objIE」を第二引数には表示させるURL(アドレス)の「http://www.vba-ie.net/」を設定しています。これによりInternetExplorerで本サイトのトップページが表示されます。
'①URLプロパティからURL(アドレス)を取得する方法
MsgBox "方法① : " & objIE.document.URL
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ここからはURLプロパティを利用してページのURLを取得する処理になります。以下は理解しやすい様にVBAコードとキーワードの関連性を列挙したものです。あくまで関連性ですので必ずしも「=(イコール)」ではありません。
まず、InternetExplorerオブジェクトのdocumentプロパティを利用してHTMLドキュメントのオブジェクト(Documentオブジェクト)を取得します。
次にDocumentオブジェクトのURLプロパティを利用してHTMLドキュメントのURLを取得します。取得したデータはMsgBox関数の引数に設定しており、以下のようにメッセージボックスが表示されますので、処理を実行して確認してください。
'②LocationURLプロパティからURL(アドレス)を取得する方法
MsgBox "方法② : " & objIE.LocationURL
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こちらの処理はInternetExplorerオブジェクトのLocationURLプロパティを利用して開いているページのURLを取得します。こちらはLocationURLプロパティを設定することで開いているページのURLを抽出します。
こちらもタイトル取得と同様にdocumentオブジェクトのURLプロパティとInternetExplorerオブジェクトのLocationURLプロパティで違いがありますので少し解説していきます。
URLプロパティとLocationURLプロパティの違いについては、前回のタイトル取得の解説でも説明しましたが、DocumentオブジェクトのURLプロパティはHTMLドキュメントのURLを返します。
例えば、フレームのあるページの場合、URLプロパティでは開いているページのURLだけでなく、フレームで設定されている複数のページのURLも取得することができます。
以下はフレームのURLを取得する事例になりますので、確認ください。
Sub sampaale()
Dim objIE As InternetExplorer
Dim objFrame As Object
'テスト用フレームページを表示
Call ieView(objIE, "http://www.vba-ie.net/code/test2.html")
'フレーム情報取得
Set objFrame = objIE.document.frames
'①開いているページのURL
MsgBox "開いているページのURL: " & objIE.document.URL
'②frame1ページのURL
MsgBox "frame1のURL: " & objFrame("frame1").document.URL
'③frame2ページのURL
MsgBox "frame2のURL: " & objFrame("frame2").document.URL
End Sub
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詳しい処理内容については割愛しますが、「objIE.document.URL」では、開いているページのURLを取得し、「objFrame("frame1").document.URL」と「objFrame("frame2").document.URL」はフレームのURLを取得しています。以下は処理結果になります。
フレームのURLをInternetExplorerオブジェクトのLocationURLプロパティで取得したい場合は一旦フレームのURLを取得し、そのページを単独で開いてからURLを取得するといった手間がかかりますので、フレームのURLを取得する場合はDocumentオブジェクトのURLプロパティを利用するようにしましょう。
次に開いているページのURLを取得する場合どの方法が一番有効かについてですが、どの方法を利用しても同じ結果なのでどれを選択しても問題ありません。ただし、処理数が多い場合はなるべく処理速度の速いものを利用した方が早く済みます。そこで、どの処理が一番速いのかを検証してみました。
以下はそれぞれの処理を5000回繰り返し処理をした時間を計測したものです。こちらの結果を見るとInternetExplorerオブジェクトのLocationURLプロパティの方が処理が速いことになります。
webスクレイピングを行う以外はどちらを選んでも大差はありませんが、webスクレイピングで処理回数が多い場合は、LocationURLプロパティがオススメです。
回数・処理 | URLプロパティ | LocationURLプロパティ |
---|---|---|
1回目 | 10.7891秒 | 9.7188秒 |
2回目 | 11.3828秒 | 8.5391秒 |
3回目 | 11.2538秒 | 8.3828秒 |
4回目 | 12.1484秒 | 8.7891秒 |
5回目 | 12.1484秒 | 8.4766秒 |
平均 | 11.3726秒 | 8.7812秒 |
今回は、URLプロパティとLocationURLプロパティを利用して開いているページのURL(アドレス)を取得する方法について解説しました。最後にどの処理が一番速いかを計測しましたが、処理回数が多い場合はInternetExplorerオブジェクトのLocationURLプロパティが一番速いことが分かりました。次回はHTMLドキュメント内の特定の文書ドキュメントを取得する方法について解説していきます。
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VBAのIE制御についてのQ&A掲示板↑VBAのIE操作で分からない事があればこちらの掲示板よりご質問ください。
ExcelのVBA初心者入門↑こちらはVBAをマスターできるよう初心者向けのエクセルVBA入門コンテンツになります。
こちらでは、これまでに紹介したIE(InternetExplorer)操作で便利な機能をツール化しています。無償でダウンロードできますので、目的に合わせたご利用ください。
こちらでは、IE(InternetExplorer)オブジェクトのメソッド・プロパティをまとめています。
こちらでは、エクセルVBAのIE(InternetExplorer)操作で利用されたVBA関数をまとめています。
こちらでは、エクセルVBAのIE(InternetExplorer)操作で利用されたステートメントをまとめています。ExcelのVBAで基本的な部分になりますので、しっかり理解しましょう。
こちらでは、これまでに作成したIE(InternetExplorer)操作で役立つサブルーチンをまとめています。
全てをコピーする必要はありませんが、目的に合わせたサブルーチンをご利用ください。